NO TITLE

本当に大切な人を ちゃんと大切にできる私に。

1杯の珈琲から、はじまる世界。

f:id:marina0821:20180307120309j:plain

 

朝、最近見つけたお気に入りのドリップコーヒーを淹れる。
部屋中がコーヒーの香りに包まれる幸せな時間。

「このコーヒー、淹れてあげたかったな」

味音痴で、食べるものに、あまりこだわりのないあなただけど、それでも、口いっぱいにほおばって食べるあの姿が懐かしい。
もう、このコーヒーを淹れることも、そんな愛おしい姿を見ることも、できないかもしれない。


毎日、些細なことで、あなたを思い出す。
私の生きる世界には、あなたを思い出すきっかけが多すぎて、苦しくなる。

 

それでも、1日は始まる。今日から、新学期だ。

 

きっと私はこれからもずっと、あなたを思い出す度に、どれだけあなたが私を大切にしてくれていたのかを思い知ることになるのだろう。そしてもっと早く、気付けばよかったと、後悔するのだ。

そうやって、あなたに
そして、たくさんの人たちに

自分が「生かされて」いることを、知る。

 

ずっと、強くなりたかった。
ずっと、「私」になりたかった。

けれど、私は逃げてばかりだった。
傷付きたくなくて、失敗したくなくて、ただひたすら、そんな痛みから目を背けて、逃げ続けていた。
たくさんの人にたくさんのものを与えてもらっていることにも気付かず、都合が悪くなると、人のせいにして、自分の殻に閉じこもる。そうやって、ただひたすら、自分勝手に、生きてきた。


それでも、世界は私を見捨てなかった。


強くなることも、「私」になることも、1人で生きていくことじゃない。
1人では、生きていけないことを認め、そしてたくさんの人のおかげで、今の自分があることを知り、そのすべてに感謝できること。

それが強くなるということで、私であるということ、なのだと思う。


毎日、そして今この瞬間も、私は誰かに支えられてる。

だから、今度は私の番。
今日から私は「誰か」のために、生きていく。
そしてまた「誰か」に、生かされていく。

それが、あなたではないことに胸を締め付けられながら、
それでも、

たくさんの人に
ありがとうを還しながら、生きていく。


もしまたいつか出逢うことができたなら、
今度こそ、本当に大切な人を、ちゃんと大切にできる私であるために。


そう心に誓い、苦みの増した、コーヒーを一気に流し込む。
さあ、今日が、はじまる。